平成23年1月28日、改正廃棄物処理法(平成23年4月1日〜施行)の施行規則が公布されました。いよいよ具体的に動き始めます。
さあ、産業廃棄物処理業者としてはどうしたらいいのでしょう?
各自治体の具体的な対応はこれから発表されるため、詳細については個別に確認が必要ですが、今、ご注意いただきたい点をあげてみました。
ご質問、ご相談等があれば何でもご連絡ください。
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新規許可を取る場合 | ① 同一都道府県内の複数の地域にまたがって営業する場合 ⇒県の許可 例)埼玉県内で、さいたま市及びその他の地域で仕事をする |
② 同一県内で一の政令市の管轄区域内だけで営業する場合 ⇒政令市の許可 例) さいたま市内でしか仕事をしない場合 ※ただし、県のその他の地域でも仕事をすると申請すれば 県の許可がとれるのに、わざわざ市の許可だけ新規取得する事業者が あるのかは疑問です。事実、さいたま市などはなるべく埼玉県の許可を 取得するよう勧めているようです。 |
2)既存の許可の取り扱い
【原則】 | 平成23年4月1日より都道府県だけの許可になり、 その他の政令市の許可は失効します。 |
【例外】 | 本来ならば県の許可を取らなければならないが今は市の許可しか持っていない場合等、更新期限まで現在の許可が残ります。 |
例①: さいたま市の許可はあるが埼玉県の許可がない | |
例②:さいたま市は7品目だが、埼玉県は5品目しかない (経過措置)⇒さいたま市の許可が更新期限まで有効。 埼玉県内では品目追加しない限り、5品目でしか営業できない。 (経過措置)⇒ただし、さいたま市の許可は更新できない。 引き続き7品目で営業したい場合は、さいたま市許可期限前に、埼玉県で品目追加する必要がある。 |
3)現在許可を持っている方!許可を見直してください。
①許可がばらばらだと思わぬ支障が発生する例
既存の許可があるからといって、自動的に県の許可がもらえるわけではありません。
御社の許可がバラバラな場合、思いがけないところで他社と差がつき、損をしてしまうことがあります。
こんなところで他社と差が・・・
御社例) さいたま市の許可はあるが、埼玉県の許可がない
埼玉県 | さいたま市 | |
H23.1現在 | ×許可なし | ◎許可あり |
H23.4.1以降 | ×許可なし !4月になっても自動的に埼玉県の許可が 与えられることはありません。 埼玉県の新規許可が必要です。 | ◎更新期限まで許可あり |
VS:埼玉県の許可しか持っていない他社例
埼玉県 | さいたま市 | 川越市 | |
H23.1現在 | ◎許可あり | × 許可なし | ×許可なし |
H23.4.1以降 | ◎許可あり | ◎許可あり ※県全体の許可が与えられます |
許可品目で差がつく場合も・・・
御社例) さいたま市の許可品目の方が、埼玉県より多い
埼玉県 | さいたま市 | |
H23.1現在 | 3品目 | 7品目 |
H23.4.1以降 | 3品目 !埼玉県で7品目を運搬するためには、品目追加が必要です。 | 7品目 !運搬できるのはさいたま市内のみです。(但し、更新不可) |
他社例)埼玉県の品目の方が、さいたま市より多かった場合
埼玉県 | さいたま市 | |
H23.1現在 | 7品目 | 3品目 |
H23.4.1以降 | 7品目 ※県の許可品目の方が多い場合、 自動的に品目が増えます。 |
② 平成23年3月までに更新期限が来る場合は要注意!
〜H23.3.15【許可期限】 | 3.16〜 3.31 | 【改正法施行】4.1〜 | |
埼玉県 | ◎許可あり | 更新⇒◎許可あり | ◎許可あり |
さいたま市 | ◎許可あり | 更新せず⇒× 許可なし ※さいたま市内での収集運搬は不可 (無許可営業になります) ↓ たとえ短い期間でも、更新許可申請するのが安心です |
4)結局、どうすればいい?
簡単に言えば、「県で最大品目の許可を取る」のが最良です。 御社の許可内容に応じて、新規許可申請や変更許可申請を行い、今のうちに許可をそろえておけば安心です。
5)営業範囲が広げやすくなりました。
例えば、神奈川県など今まで5つの許可が必要だったところが、1つの許可で済みます。また、品目追加も県にだけ申請すればよく、少しの負担で大きな成果が得られるチャンスです。
6)申請するなら今のうち!
4月1日以降は窓口が混乱し、事務手続の遅れが予想されます。今のうちに申請すれば、今の審査基準で新しい許可がとれますので、法改正に先駆けて新法に対応した営業体制を敷くことができます。
2.特例優良許可業者の許可期限が7年に
環境省が定める「優良性評価制度」の基準が追加され、これに適合した事業者は、許可期限が5年から7年に延長されます。5年の更新許可申請と同時に各自治体に適合申請をするのが原則ですが、施行前に更新を迎えた事業者も申請はできるようです。
エコアクション21、ISOなどを取得するのが必須条件です。
不法投棄が多い建設系廃棄物について、今までは政令や通知で定められていた元請の排出事業者責任や、下請けの責任が法律に明記され、重くなっています。排出元である建設業者が廃棄物処理法を知らず、ついつい無理を聞いてしまうことがありませんか? お客様ですから、ある程度は仕方ない・・これからはそれでは通らなくなりそうです。きちんとした知識を持ち、誠意をもってお客様に説明し、法に則った処理をするのが一番です。
1)建設工事については、排出事業者=元請業者です。
今までは、元請から丸投げされ、しかたなく下請業者が自社を排出元(元請)として処分することも多かったようですが、これが通用しなくなります。
2)契約を見直しましょう。
委託契約は元請業者と締結していますか?
収集運搬する下請業者は収集運搬業の許可を持っていますか?
3) マニフェストは受けとっていますか?
建設廃棄物に限ったことではありませんが、これまで、マニフェストの交付は排出事業者だけの義務でしたが、今回の改正で処理業者にもマニフェストを受け取る義務が課されました。マニフェストなしで廃棄物を受けると、6ヶ月以下の懲役、50万円以下の罰金の対象になります(廃掃法違反で罰金刑=欠格事由該当=許可取消です)。 今までは「排出事業者がマニフェストをくれない」と言えましたが、これからは「そういう時は廃棄物を受け入れてはいけない」ということが明確になりました。処罰を受ければ廃掃法違反で許可取消になってしまいますから注意が必要です。